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ある日突然、逮捕されたら・・・「弁護士」をどうやって呼べばいいの?
2013年12月07日 15時07分

人生、何が起こるか分からない。電車内で痴漢と疑われたり、なにかのはずみで他人にケガをさせるなど、自分が「容疑者」として逮捕される可能性は、誰にでもある。

そんな状況で頼りになるのが「弁護士」だが、警察によって自由を奪われ、携帯電話も取り上げられた状態で、どうやって連絡を取ったらいいのだろう。そもそも、困ったときに頼める弁護士を個人的に知っている人は決して多くないだろう。

ある日突然、逮捕され、「容疑者」になってしまったら、いったいどうすればいいのだろうか。弁護士に来てもらうための方法について、刑事事件にくわしい南川学弁護士に聞いた。

人生、何が起こるか分からない。電車内で痴漢と疑われたり、なにかのはずみで他人にケガをさせるなど、自分が「容疑者」として逮捕される可能性は、誰にでもある。

そんな状況で頼りになるのが「弁護士」だが、警察によって自由を奪われ、携帯電話も取り上げられた状態で、どうやって連絡を取ったらいいのだろう。そもそも、困ったときに頼める弁護士を個人的に知っている人は決して多くないだろう。

ある日突然、逮捕され、「容疑者」になってしまったら、いったいどうすればいいのだろうか。弁護士に来てもらうための方法について、刑事事件にくわしい南川学弁護士に聞いた。

●すぐに会うことができるのは「弁護士」だけ

「逮捕された人は通常、警察内の留置場に収容され、携帯電話などの私物も取り上げられます。逮捕期間は72時間以内と定められており、この逮捕期間中は、家族や友人、会社の人たちと面会することはできませんし、電話で連絡をとることも一切できません。

すぐに会うことができるのは弁護士だけですので、 逮捕されたら、できるだけ早期に、弁護士に来てもらって面会することをおすすめします。弁護士と面会したり、弁護人を選任することは、憲法等で保障されている、逮捕された人の重要な権利です」

南川弁護士はこのように説明する。その際には、「●●弁護士をお願いします」と名指ししなければならないのだろうか?

「知り合いの弁護士を呼びたい場合は、警察に直ちにその弁護士を呼ぶよう要求することができます。

思い当たる弁護士がいない場合は、各地の弁護士会が運営する『当番弁護士制度』を利用して、弁護士を派遣してもらうことができます。逮捕された警察署などで直接、警察官に頼んで、当番弁護士を呼んでもらってください。

なお、当番弁護士制度は、未成年でも利用可能です。また逮捕された本人だけでなく、その家族も要請することができます。詳細は日本弁護士連合会のホームページ(http://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/reforming/kokusen_touban/keiben_c.html)に掲載されていますので、ご覧ください」

●早く弁護士を呼べばいくつものメリットがある

さて、その「当番弁護士」には、いったい何をしてもらえるのだろうか?

「当番弁護士制度は、弁護士が1回無料で逮捕された人のところに面会に行く制度です。面会した弁護士は、逮捕された人の疑問に答え、今後の手続の流れや保障されている権利について説明します。

捕まってすぐに弁護士と面会して相談するメリットとしては、いきなり逮捕されて日常と切り離されてしまった人が、今後の手続きの流れを知ったり、外部の人たちとの連絡をとってもらえることで精神的な安定を得ることができます。

また、逮捕されてから取り調べで作られる『供述調書』は、刑事手続きで処分を決めるにあたって重要な証拠になりますので、取調べにどう対応すべきか、といったことについて早期にアドバイスを受けられます」

家族と連絡をとってもらったり、法的なアドバイスをしてもらったり、弁護士にはいろいろな役割が期待できるようだ。ただ、「1回」というのは少々心許ない気もするが……?

「当番弁護士には、そのまま正式に弁護人になって弁護活動をしてもらうよう依頼することもできます。ただし、1回目だけが無料で、その後は費用がかかるのが原則です。

当番弁護士との面会を経て、早い段階で正式に弁護人を選任できれば、その事案に即した弁護活動を早期に開始してもらえます。

たとえば、被害者がいる犯罪の場合は、被害者との示談の成否が重要になってきますので、早い段階から弁護人に動いてもらい、示談交渉を進めてもらうことが大切です」

そうなると、残るのは費用面の心配だが……。南川弁護士は「手持ちのお金がない場合など収入や財産が定められた基準以下の場合には、国選弁護制度(国のお金で弁護人をつけることができる制度)や、日本弁護士連合会が弁護人費用を援助する制度を利用できる場合もあります」として、「まずは面会にきた弁護士に相談してみてください」とアドバイスを送っていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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