犯罪・刑事事件の解決事例
#建物明け渡し・立ち退き

遺産分割によって取得した家の一室を弟が占領しており、退居を求めた事案

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岡田 和也 弁護士が解決
所属事務所神戸ブライト法律事務所
所在地兵庫県 神戸市中央区

この事例の依頼主

60代 男性

相談前の状況

お父様の家に、依頼者様夫婦と相手方(依頼者様の弟様)が同居されていました。お父様が逝去され、遺産分割によって、この家は依頼者様が取得することになりました。しかし、相手方は、この家から出て行こうとせず、ずっと家の一室を占領し続けていました。依頼者様は仕事のために昼間は家にいませんでしたが、相手方は無職であったため家におり、依頼者様の奥様はこの状態が続いていることを嫌がっておられました。しかし、依頼者様から相手方に対して退居を求めても、相手方は全く聞く耳を持たず、退居するそぶりは全くありませんでした。

解決への流れ

依頼者様自身での交渉は不可能ということで、当職が委任を受けました。当職から相手方に対し、家からの退居を求める通知書を送りましたが、相手方は無反応であり、退居するそぶりはやはりありませんでした。そこで、裁判所の力を借りた方が良いとの判断となりましたが、いきなり裁判(訴訟)をするよりは、少し穏便な手段である調停を申立てることになりました。しかし、建物退居を求める調停において、相手方は、第1回目の調停にも、第2回目の調停にも出頭せず、裁判所からの度々の出頭要請も無視したため、調停は不成立となりました。そこで、建物退居を求める裁判(訴訟)を起こし、勝訴判決を取得いたしました。そして、相手方が住んでいる家まで行って相手方と直接話をし、この判決を示して交渉した結果、相手方はようやく退居することを約束し、その1か月後に退居が完了しました。

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岡田 和也 弁護士からのコメント

依頼者様と相手方は、兄弟でしたが、非常に仲の悪い関係にありました。依頼者様は、夫婦での平穏な生活をしたいと考え、相手方に対して何度も退居を求めましたが、相手方は聞く耳を持たず、時に暴力に訴えて対抗してくることもありました。そのような粗暴なところがある相手方が同じ家の別の部屋にいるという状態であることに、依頼者様の奥様は非常に強いストレスを感じておられ、一日も早く相手方に退居してもらいたいと切望しておられました。もっとも、あまりに強行的な手段を取って、相手方から逆恨みされたり報復されたりすることは避けたいというご意向もありました。この2つのお考えを調整すべく、当職にて、いきなり裁判(訴訟)をして強制執行をするのではなく、示談交渉→調停→裁判→裁判結果を踏まえた交渉という順序で処理を進めました。裁判結果を踏まえた交渉においては、当職自身が相手方からの暴力訴えた対抗を受けたりもしましたが、根気強く交渉した結果、最終的に相手方から任意の退居約束を取り付け、退居を完了させました。退居完了から1年以上経過しておりますが、相手方からの報復などは一切ないということです。依頼者様からは、「何度も家に来てくださって交渉していただいたお陰で、安心して暮らせる家が取り戻せました。自分達ではどうしようもなかったので、本当に助かりました。ありがとうございました。」との感謝のお言葉をいただきました。