この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
叔父が無くなり遺言(古い自筆のもの)が見つかったが,遺言執行者として叔父と懇意にしていた弁護士が指定されていた。しかし,遺言執行者として指定されていた先生は既に亡くなってしまっており,どうしたら良いのか分からない。なお,遺言には遺産として自宅の土地建物を初めとする不動産に加え,その他預金や株式などが記載され,また逐一誰が何の遺産を相続するのかが明記されており,甥である自分にも不動産の一部が遺贈されるということになっていた。遺言書については封筒に入っていたが,亡くなった後に開封してしまった。
解決への流れ
指定された弁護士の代わりに,私が新たな遺言執行者として業務を行うということで関係者全員からの許諾を得ることができたため,そのまま受任し,事件処理を行った。具体的な業務内容は,以下のとおりである。①家庭裁判所に申し立てて,当該自筆遺言の検認手続を行う。②遺言執行者選任の申立てを家庭裁判所に行い,正式に遺言執行者に就任する。③財産を調査(預金の取引明細,登記や固定資産台帳等)し,財産目録を作成した上で,関係者に交付。③預貯金・証券類遺言には,「遺言執行者は,預金債権の解約、払戻し等のほか、この遺言を執行する上での一切の権限を有する」旨の記載があったため,預貯金についても遺言執行者単独で順次解約を行い,全て遺言の記載通りに分配を行う。④不動産「相続させる」旨の指定を受けた相続人は,単独で登記手続が可能であるが,「遺贈」を受けた相談者については,遺言執行者を登記義務者とする登記手続が別途必要になるため,この点については別途対応。全ての登記手続を当事務所所属の司法書士に依頼することになり,通常よりも安価に登記手続を完了させることができた。
遺言執行者として就任し,①財産調査及び目録の作成,②預金・証券類の解約や承継手続,③不動産の移転登記等,遺言の内容実現に必要な事項を包括的に解決した事案です。当事務所の弁護士は各種相続手続についても精通しており,今回の遺言執行業務についても,所属している司法書士と協力した上で,非常に効率良く,かつ適正かつ安価に遺言内容の実現をすることができました。