この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
父は先に亡くなっており、母が既に亡くなったため兄妹で相続することになったが、兄は若い頃に親とケンカして家を出て以来、音信普通であった。不動産もあるので遺産分割協議をしないと後々面倒なことになると思うがどうしていいか分からない。
解決への流れ
全ての相続事件でまずは相続人が誰か、を調査しなければいけません。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集めて既婚か、子が何人いるかを調査して相続人を確定する必要があります。稀に知らなかった離婚歴や兄弟姉妹の存在を知ることもあります。本件では戸籍から兄の存在を確認したところ、兄も既に亡くなっていることが判明しましたが、兄の戸籍を全部調べたところ子どもがいることが判明したので兄の子が共同相続人だと分かりました。住民票から兄の子に連絡をして経緯を説明し、相談者が不動産を全部取得する形で無事に遺産分割協が成立しました。交渉は全て弁護士が行い、両者の希望で依頼者と兄の子が会うことはありませんでした。
連絡先の分からない共同相続人(兄弟姉妹や甥姪)がいることは珍しくありません。弁護士であれば戸籍と住民票から現住所を調査することが可能ですが住民票どおりに居住していない場合は別な調査が必要になります。また、住民票からは住所しか分からないので手紙を送っても返事がなければ電話で話すこともできません。直接行ってもいつ在宅か分からずに費用がかさむこともあります。本件でも兄の子が遠隔地に住んでいたので手紙に返事がない場合に費用が大きくなる可能性がありましたが、幸い手紙を見た兄の子が事務所に電話をくれたので事前打合せをすることができて遺産分割の話もスムーズに行うことができたため費用がかさまずに済みました。